私的臍帯血バンク

臍帯血は宝の宝庫

名古屋大学大学院医学系研究科
造血細胞移植情報管理・生物統計学
鈴木律朗
2011年3月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

http://medg.jp/mt/2011/03/vol51.html

より

臍帯血の有用性を解説し、長期疫学調査である環境省のエコチル調査を批判する内容。エコチル調査とは、「環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにしていこう*1」とするもの。この調査には、臍帯血の採取だけではなく、例えば、妊婦の尿や父親の採血なども含まれる。

素人目に見ても、臍帯血バンクとエコチル調査の両立は難しそうだ。なぜなら、臍帯血は移植で使う分には少しでも無駄にはできないからである。

「以前はさい帯血から採取した造血幹細胞は平均7億個にとどまっていたため、移植可能な患者が子どもや体重の少ない大人に限られていました。最近はさい帯血の採取テクニックが向上し、体重の重い大人にも十分な量の造血幹細胞が確保されるようになってきました」(谷口さん)
http://www.gsic.jp/cancer/cc_21/ht/cr_02.html

ただ、一方で基礎研究であるエコチル調査の重要性も個人的には分かる。エコチル調査は、臍帯血バンクに配慮するらしいので、今後の推移を見守るしかない。


話は少し変わるが、この記事を読んで初めて知ったのだが、私的臍帯血バンクなるものがあるということ。

"私的臍帯血バンク"とは、臍帯血の使用目的を自分のためだけに限定したバンクのことである。運営主体が公営か私営かという問題ではない。白血球の型であるHLAを調べて、広く血液疾患の患者さんに使ってもらおうという"公的臍帯血バンク"とは、目的を異にするバンクである。

うーん。